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  • コウノトリの国内の野外個体数が300羽を超えました!
    2022/08/24

    コウノトリの国内の野外個体数が300羽を超えました!

    2022年7月末までに野外コウノトリが300羽を超えたことが確認されました。2005年に兵庫県で放鳥が始まり、12年後の2017年に100羽に到達、さらに3年後の2020年に200羽を超えていました。
    IPPM-OWSでは、2013年の設立以来、コウノトリの遺伝的多様性の維持・向上を図るため、毎年、飼育下でのペア形成・繁殖のための飼育管理計画や野外への放鳥計画を立案してきました。これらの計画をもとに、IPPM-OWS加盟機関・施設がそれぞれ飼育下での繁殖や野外への放鳥に取り組んできています。個体群管理や調査のため、放鳥個体や野外で孵化・成長したほぼすべての個体には足環が装着されていますが、この足環はIPPM-OWSや兵庫県立コウノトリの郷公園が購入し、各機関・施設が装着してきたものです。300という数が把握されているのは、足環装着が地道に続けられてきた成果と言えるでしょう。
    しかし、個体数が順調に増加している一方、繁殖場所の確保、採餌環境のさらなる整備、人工物による事故への対策など、様々な課題も明らかになってきています。IPPM-OWSでは、今後も各加盟機関・施設の協力により、これらの課題の解決を図るとともに、野外個体群の状況を把握しながら、コウノトリの個体群が安定的に維持されるよう努力を継続していきます。

    関連記事
    野外コウノトリ300羽到達について | 兵庫県立コウノトリの郷公園 (satokouen.jp)https://satokouen.jp/posts_announce/15470.html
  • 2022年度 野外繁殖のヒナへの足環装着を行いました。
    2022/08/09

    2022年度 野外繁殖のヒナへの足環装着を行いました。

    コウノトリの野外繁殖では、巣内ヒナを捕獲して足環を装着しています。足環は、個体を識別するために装着します。このことにより、コウノトリの野生復帰に必要な情報を得ることができます。例えば、個体の移動情報、配偶関係、生存率などです。
    IPPM-OWSでは、足環の提供や足環装着に係る技術支援等を行っています。足環装着は、繁殖している当該地の自治体が主体となり実施しています。また、IPPM-OWSでは、今後繁殖を広げていくコウノトリの足環を装着していけるように、実地研修をほぼ毎年行っています。今年度は、計3回実施しました。
    今年は、8府県34カ所80羽のヒナに足環を装着しました。現在は、ほとんどのヒナが巣立ちしています。コウノトリの幼鳥は、秋頃まで親鳥の近くで行動し、その後ひとり立ちをしていきます。
    今年は、野外コウノトリが300羽を超えました。コウノトリが、皆さんのお住まいの地域で見られるかもしれません。見かけた際には、足環が付いているか確認し、どの個体なのか「コウノトリ個体検索」で調べてみてください。
    ※足環装着に係る費用の一部は、「公益信託サントリー世界愛鳥基金」の助成を受けています。
    コウノトリ個体検索 (ippm-ows.jp)https://kounotori.ippm-ows.jp/
  • コウノトリ保全セミナー2022の開催について
    2021/12/10

    コウノトリ保全セミナー2022の開催について

    コウノトリ保全セミナー2022
    「日中韓のコウノトリの保全の現状と課題について」

    【開催要項】

     IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種(Endangered:EN)に分類され、ロシア、中国、韓国、日本などに生息しているコウノトリ。その保全活動として、各国では様々な取り組みが行われている。
    例えば日本国内では、1988年に飼育下で初めてコウノトリが繁殖した後、2005年からは放鳥が開始され、2020年には国内の野外個体数が200を超えるに至っている。また、日本と同様に野外個体群が一度消滅した韓国では、2015年からコウノトリの放鳥が始まっている。一方、中国では、最大の越冬地である江西省ポーヤン湖で約6,700羽のコウノトリが確認されたという報告が最近なされている。
    今回、IPPM-OWSでは、日本、韓国、中国におけるコウノトリ保全の最新の状況と課題について情報共有するとともに、今後、各国の関係者が国際的な連携を図りながらコウノトリの保全活動をさらに推進していくことを目的として、コウノトリ保全セミナー2022「日中韓のコウノトリの保全の現状と課題について」を開催する。

    1 日 時:2022年1月15日(土)
    13:30~16:30(入室開始13:00)

    2 開催方法:ZoomによるWEB開催(参加費無料  定員:先着300名)

    3 内 容
    講演1 「日本におけるコウノトリの保全と課題について」 
    発表者:高見 一利                     
    豊橋総合動植物公園 動植物園長
    JAZA生物多様性委員会 国際保全事業部長
    IPPM-OWS 代表
           *JAZA(公益社団法人日本動物園水族館協会)
    講演2 「中国におけるコウノトリの保全と課題について」
    発表者:蘇 雲山                      
    一般財団法人 環境文化創造研究所 主席研究員 

    講演3 「韓国のコウノトリの再導入プログラムの現状と歴史」
    発表者: 金 修敬(キム スギョン)            
    禮山コウノトリ公園 先任研究員
         (韓国語→日本語の通訳あり)

    講演4 「鳥類保全における国際連携」
    発表者:出口 智広                     
    兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科 准教授
    兵庫県立コウノトリの郷公園 主任研究員
    IPPM-OWS域内保全作業部 部会長

    質疑応答(チャットにより質問を受け付けます。) 


    4 主催・後援 
     (1) 主催
       ・コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS)
     
     (2) 後援
       ・公益社団法人日本動物園水族館協会
       ・公益財団法人東京動物園協会
       ・豊橋市(豊橋総合動植物公園)
       ・兵庫県立コウノトリの郷公園
       ・兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科

    5 助成
       このセミナーは公益信託サントリー世界愛鳥基金の助成により開催いたします。

    6 申込方法
      以下の申込用アドレス、もしくはポスターにあるQRコードのいずれからか申込をお願いいたします。
      
       申込用アドレス:https://req.qubo.jp/ippm-ows_seminar_2021/form/a3uwSUqY

       【締 切】2022年1月11日(火)送信分まで有効
                             
  • 今シーズン初めてのヒナのふ化
    2021/04/03

    今シーズン初めてのヒナのふ化

     3月22日、兵庫県豊岡市内の人工巣塔で、ヒナがふ化したときに見られる、親鳥の「餌の吐出し行動」が確認されました(3月26日、兵庫県立コウノトリの郷公園発表)。写真は、ふ化してから11日が経った4月2日に撮影されたものです。順調に育てば、6月上旬には巣立ちが確認される見込みです。

     ヒナのふ化が確認されたのはこれが今シーズン初めてですが、その後、国内各地で野外コウノトリのふ化確認が続いています。4月から5月にかけて多くのヒナがふ化し、6月から7月には巣立ちを迎えることになります。
  • 野外コウノトリの個体検索システムを改良しました
    2021/04/03

    野外コウノトリの個体検索システムを改良しました

     当パネルでは、野外個体に装着されている足環の色を入力することで個体情報(個体番号、孵化日、孵化場所など)が得られる検索システムを運用してきました。スマートフォンでも検索することができ、野外でコウノトリを見かけた場合に、その場ですぐに個体情報を知ることができます。

     この度、足環の色による検索だけではなく個体番号による検索もできるよう、サントリー世界愛鳥基金の助成によりシステムを改良しました。野外でコウノトリを見かけた場合には、ぜひご活用ください。